全国的に有名になった、“近大マグロ”の養殖体験に行ってきました。
マグロの中で最大にして最高級の本マグロ(クロマグロ)を
卵から「完全養殖」することに成功した、近畿大学の水産研究所。
養殖場は和歌山南端の大島にあり、地元の漁師さんと一体になって、
日本人の食卓に欠かせないマグロの養殖技術を日々、研鑽しています。
漁船に乗って生簀(いけす)へ到着。 肉眼では猛スピードで泳ぎ回る1m弱のマグロの魚影が…! |
お聞きした解説によると、発端は50年も前のこと。
当時はマグロが世界のどこにどれだけ生息しているかなど、
その実態について何の研究報告もありませんでした。
初めて明らかになった、全マグロの9割以上を日本人が消費している(※当時)という事実。
このままではいずれ、日本人がマグロを食べつくしてしまう・・・
それが養殖のスタートだったそう。
すぐに軌道に乗った訳ではありません。
まずはマグロの生態を徹底的に調査するところから。
長くなってしまうので、ここからは印象に残った調査結果を箇条書きで。
・稚魚を生きたまま捕獲しても何故か全て死んでしまう
→人間の手に触れると低温やけどを起こしてしまうデリケートな生き物だった
→決して触らないようにして捕獲
・マグロは死ぬまで止まらない、眠らない
→他の魚のようにエラを動かしての呼吸ができず、
泳ぎ続けることでエラから酸素を 取り入れている
→止まったら死ぬので丸くて広い生簀が必要
美味しいマグロについてのお話も伺いました。
・マグロの一本釣りは名高いが、釣ったまま漁船で引いている間に脂が落ちてしまう
→すぐに船にあげて処理したマグロが一番美味しい
・大抵の魚は釣ってすぐが新鮮で美味しいが、マグロは適切な処理をして数日後が最高
もっと詳しいお話があって本当に面白かったのですが、
ここで体験の様子をどうぞ。
水色の容器いっぱいのサバをすくって… |
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生簀中央めがけてエイッ! 波しぶきをあげてマグロが食いついてきます。 |
生簀の端にエサを落とすと、
マグロが網にぶつかって死んでしまう可能性があるとのことで、
慎重かつ思い切りよく。豪快で楽しい!
7月の台風11号では12億円の被害が出たそうですが、
担当の漁師さんが情熱を込めて話してくれたのが、
「自分たちだけの目先の利益を考えているのではない」ということ。
マグロだけでなく他の魚も含めた海の生態系全体を視野に入れて、
天然資源に負荷をかけずにいかにマグロを供給していくか。
終わらない課題に向き合う決意が伝わってきました!
それでは、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました♪
次号は9月1日(火)発行です。またお越しください☆\( ^ ^)/〜〃。.:*:・'°
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