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2005年
3月の相談者
T&Kさん
兵庫県神戸市
去年、マンションを購入しました。まだ、建設中で、入居は3月の予定です。4月からローンの支払いが始まります。今は家賃1万円の社宅に住んでいても苦しい生活をしているのに、4月から生活していけるのでしょうか・・・?マンション購入はとてもうれしいのですが、これからの生活を思うと、不安でいっぱいです。
■家族構成
・夫 33歳 会社員 年収約480万(総支給額)
・妻(本人) 30歳 パート 年収約96万(総支給額)
・長女 7歳  ・長男 4歳 

■家計簿データ

現在
毎月 ボーナス時 年間
収入 夫(総支給額) 286,700 1,369,800 4,810,200
妻(総支給額) 80,000 0 960,000
その他(児童手当) 10,000 0 120,000
合計 376,700 1,369,800 5,890,200
控除 社会保険料 34,698 148,070 564,446
所得・住民税 6,380 73,300 149,860
組合費 5,550 11,100 77,700
合計 46,628 232,470 792,006
支出 食費 71,000 0 852,000
住居費 14,200 0 170,400
固定資産税 0 0 0
光熱費 30,000 0 360,000
通信費 18,000 0 216,000
保険料 15,179 112,000 294,148
教育費 50,000 120,000 720,000
娯楽・レジャー費 5,000 0 60,000
車費 10,000 0 120,000
夫こづかい 25,000 0 300,000
その他 15,000 25,000 205,000
合計 253,379 257,000 3,297,548
貯蓄 持株拠出金 3,300 19,800 59,400
財形貯蓄 10,000 60,000 180,000
合計 13,300 79,800 239,400
収支 63,393 800,530 1,561,246

4月以降
毎月 ボーナス時 年間
286,700 1,369,800 4,810,200
80,000 0 960,000
10,000 0 120,000
376,700 1,369,800 5,890,200
35,238 150,570 573,426
6,380 -33,360 43,200
5,550 11,100 77,700
47,168 128,310 694,326
71,000 0 852,000
65,000 200,000 980,000
0 150,000 150,000
30,000 0 360,000
18,000 0 216,000
15,179 112,000 294,148
50,000 120,000 720,000
5,000 0 60,000
10,000 0 120,000
25,000 0 300,000
15,000 25,000 205,000
304,179 607,000 4,257,148
3,300 19,800 59,400
10,000 60,000 180,000
13,300 79,800 239,400
12,053 554,690 699,326

現在の金融資産残高    約380万円    

■貯蓄の内容
名義内容金額
住宅債券2,270,350
住宅財形1,000,000
定期預金500,000
合計3,770,350

■保険の内容
保険の種類 名義 保険金額 期間 月額保険料
個人年金保険10年確定年金 111万円/年 37年 9,990
簡保 200万円 20年 5,180
学資保険 長女 100万円 18年 28,000(※)
学資保険 長男 100万円 18年 28,000(※)
合計15,170
※ 年払い

●●T&Kさんへのアドバイス●●
FPさんT&Kさん、こんにちは。今月には念願のマイホームに入居できるというのに、何だか浮かないご様子ですね。“一生で一番大きな買い物”を決断された訳ですから、不安なのも分かります。でも、ただ心配ばかりしていても何も始まりませんね。一見複雑に見える問題も、整理してみると意外と単純な問題が集まっているにすぎないものです。冷静に問題を解きほぐして、できることから一つ一つ解決していきましょう。
(1)住宅ローンについて
あと5年位は先のつもりでいた住宅取得が急遽前倒しになったこと、公庫融資を想定して『つみたてくん』で資金準備をしていたのに銀行ローンを利用する事になったことなど、T&Kさんにとって思ってもいなかった展開が不安に拍車をかけているようです。「不動産やローンのことがよく分からない中で、業者のいいなりに動いていいのかしら」という気持ちなのかもしれませんね。

ご当地の事情が分からないので、建物の質や生活の利便性といった物件そのものに関するコメントは控えさせていただきますが、少なくともご主人は"お買い得物件"であることに満足なさっているご様子ですね。「不動産は縁のもの」とも言いますので、これが本当に良縁であることを前提に言わせていただくならば、予定変更を"良し"とすることも必要だと思いますよ。

前置きが長くなりましたが、予定していた公庫融資と実際に利用する銀行ローンの最も大きな違いは、固定金利か変動金利かという点です。固定金利(公庫)のメリットは、最後まで返済額が決まっているため生活設計が立てやすいということ。変動金利(銀行)のメリットは、当初の金利が低いため元金の減るスピードが速く、返済額も安く抑えられることです。(銀行でも長期固定金利型ローンの取り扱いはあります。)

変動金利ローンの利用にあたって最も気をつけなければならないのは、将来の金利上昇です。ご存知の通り今は空前の低金利時代ですから、これ以上金利が下がる可能性よりも上がる可能性の方が大きいと言えるでしょう。金利が上がれば毎回の返済額が増えるのですから、今の低金利のメリットを享受しつつも、いつか金利が上昇したときにはどう手を打っていくのか、しっかり備えていく必要がありますね。

では、どう備えるのかという話ですが、『公庫で借りたつもり貯金』というのはいかがでしょうか。実際の金利よりも高いローンを組んだ場合に想定される返済額を、最初から家計における『ローン予算』として別口座に入れていきます。その中から実際の返済額を引き落としていくようにすれば、差額は貯まっていきますよね。それがある程度まとまったら、順次繰り上げ返済していくと、元金の減り方がさらに早くなります。また、将来的に金利が上昇して返済額が増えたとしても、それに耐えられる家計体質はすでにできているという訳です。

T&Kさんが実際に利用なさる2年固定期間付変動金利ローンと、以前から予定しておられた公庫融資について、当面の返済額を比較してみましたので参考になさって下さい。


固定金利
(2.8%)
変動金利
(1%)
差額
月々返済 58,309円 44,036円 14,273円
ボーナス返済 257,002円 194,630円 62,372円
年間返済額 1,213,712円 917,692円 296,020円
2年後の残高 2,616万円 2,579万円 37万円
※借入額:2,710万円(うちボーナス返済分:1,150万円)、返済期間:35年
(2)家計の現在と今後について
来月からマンションのローン返済が始まるということですので、現在の家計と4月以降の家計を並べてみました。4月以降の家計についても、現在の生活水準をそのまま維持することを前提にしていますが、住宅ローン控除の適用で所得税が0になること、新たに固定資産税(税額はあくまで大まかな目安です)が発生すること、また、社会保険料率が引き上げになることなど、予想できる変更点は織り込んであります。これによると、年間の支出額がこれまでより約86万円増える計算ですが、それでも十分『つもり貯金』にまで予算が回っていきそうですね。

なのに、T&Kさんがそんなにも心配なのはなぜ?「一体何に使ったんだろう・・・」というご本人の言葉に表れている通り、どうやら残っているはずのお金が残っていないことが原因のようです。この使途不明金の部分が、実は今後も継続的に必要な資金であるならば、本当はこんなに黒字ではないということになります。極端な話をするならば、本当は住宅ローンの返済力はないのかも知れませんよ。もう一度厳しく現実を見つめる姿勢が必要です。

だからと言って、即「住宅をあきらめましょう」ということでもありません。今までかなり大らかな使い方をしてきた基本生活費の部分は、ちょっとした工夫でかなり引き締め効果が出そうですから。

例えば食費については、「夫が買い物に行く土日は、ほとんどできあいの物をクレジットカード払いで買って来るため、その分だけで4万円近く使ってしまう」そうですね。クレジットカードは便利ですが、いくら使っているのかという自覚が持ちにくく、つい使いすぎてしまいがち。ここを大きく引き締めるために、まずは月6万円(夫昼食代込)を予算として、きっちり守るところから始めてみられませんか。そのためにも、カード払いはやめた方がいいですね。

光熱費についてもやや多目に見えます。でもこれは、マンションに引っ越した後は特に工夫しなくても若干減るかも知れませんね。高気密の建物は冷暖房効率が高いからです。心がけ次第では、さらに無駄なエネルギーのカットは可能です。月2万円を予算の目安にして下さい。

 但し、これらはT&Kさんが一人で頑張っても実現はできないでしょう。まずは現状についてご夫婦で共通認識を持つことから始めましょう。さらにお互いどのように協力し合うのか、しっかり話し合って下さい。
♪ 最後に ♪
何事も同じだと思いますが、人生において大きな決断をするときには「できるかできないか」ではなく、「やるかやらないか」なんだと思っています。「やる」のであれば、そのために何かを犠牲にしたり、大きな困難を乗り越える必要があったりしますが、それが嫌なのであれば「やらない」という選択もありますよね。

ですから私自身は、一旦「やる」と決めたら、苦労も丸ごと楽しむ自分でありたいと思っています。(なかなかそうもいかないときもありますが・・・)

コメント作成:ファイナンシャルプランナー 佐藤名ゝ美
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