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2006年
1月の相談者
トッピーさん
神奈川県横浜市
6月に定年退職した男性です。63歳からの年金支給までの収支バランスがかけ離れていて不安です。一般的にみて、支出のどの項目を改善すべきか、わからない状態です。同条件(60歳位の子どもなし無職など)に近い家庭での節約項目などをアドバイスいただきたいです。

■家族構成
・夫(本人) 60歳 無職 年収約270万(総支給額)
・妻 60歳 専業主婦

■家計簿データ

毎月 ボーナス時 年間 メモ
収入 夫厚生年金 118,000 0 1,416,000 63歳以降:21.7万円
夫個人年金 92,000 0 1,104,000 66歳以降:4.6万円
夫企業年金 13,000 0 156,000 75歳まで
妻厚生年金 12,233 0 146,796
合計 235,233 0 2,822,796
支出 固定資産税 0 93,400 93,400
自動車税 0 39,500 39,500
食費 80,000 0 960,000
住宅ローン 50,000 0 600,000
管理費等 23,500 0 282,000
光熱費 27,000 0 324,000
通信費 8,000 0 96,000
生命保険料 40,328 0 483,936
損害保険料 2,368 0 28,416
娯楽・レジャー費 10,000 0 120,000
被服費 20,000 0 240,000
交際費 20,000 0 240,000
車維持費 35,000 0 420,000
夫婦こづかい 10,000 0 120,000
医療費 45,000 0 540,000
その他 20,000 0 240,000
使途不明金 10,000 0 120,000
合計 401,196 132,900 4,947,252
収支 -165,963 -132,900 -2,124,456


■貯蓄の内容
保険の内容

■保険の内容
保険の内容

●●トッピーさんへのアドバイス●●
FPさんトッピーさん、こんにちは。昨年の春に定年退職を迎え、セカンドライフ期をスタートされたそうですね。まずは、おめでとうございます。時間の流れだけでなく、お金の流れも大きく変化していることに戸惑いのご様子ですが、ちょうど今が過渡期ですから、これから新たな流れを作っていくつもりで臨まれてはいかがでしょうか。では、見ていきましょう。
(1)家計全般について
お送りいただいた資料をもとに、キャッシュフロー表を作ってみましたので、まずはそちらをご覧下さい。キャッシュフロー表.1

〜キャッシュフロー表作成の前提など〜
数字は各年の年末時点のものです。
2006年分の健康保険料は、2005年に前納済みとなっています。
妻の65歳以降の公的年金受給額は、基礎年金を満額受給できるものとして計算しています。
更新タイプの生命保険については、保険期間が満了した場合に、“更新しないもの”として掲載しています。

最初に、2006年の数字をご覧下さい。ご自身も「収支バランスが非常に悪い」とおっしゃるように、収入が282.3万円であるのに対して支出が494.7万円と、200万円を超える赤字の状態です。一つには、ご夫婦ともに年金が満額支給されていない時期であることが大きいですが、では、年金が満額受けとれるようになると赤字が解消されるかといえば、決してそうではないようです。

2年後の2008年には、トッピーさんの厚生年金が満額支給開始となり、収入が年間120万円程増えるものの、それでも100万円を超える赤字。4年後の2010年には、妻の基礎年金が受給開始となり、さらに住宅ローンも完済となっているものの、それでも36万円の赤字です。これはどうしても支出を大幅に見直す必要がありそうですね。

私は、家計というものは生身の人間の生活そのものであって、お金をどのように使うかは、それぞれの状態や価値観に合わせて、自由にやっていけばいいものだと思っています。しかし、いくら自由であるとは言え、トッピーさんが今の生活をそのまま続けていけば、すぐに家計が破綻してしまうのは目に見えています。以下に「夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無就業世帯」の平均支出をご紹介しますので参考になさって下さい。

(単位:万円)
食料費62.9
住居費20.3
光熱・水道費16.0
被服・履物費10.9
保健医療費12.9
交通・通信費22.1
教養娯楽費30.7
その他68.4
消費支出合計(年間)244.6
※総務省1999年「全国消費実態調査」より

この数字を踏まえて、トッピーさんのご家庭が、平均値までの節約を実現された場合のキャッシュフロー表を作ってみました。キャッシュフロー表.2

なお、「消費支出合計」の全国平均は244.6万円となっていますが、トッピーさんのキャッシュフロー表には、ここに含まれる「住居費」に相当する「(マンションの)管理費等」を別枠に記載していますので、「消費支出合計」244.6万円のうち「住居費」20.3万円を除いた224.3万円を「生活費」とさせていただきました。

単純に、生活費の金額を差し替えただけですが、相当改善しているのがわかると思います。地域によって物価が違いますので、費目の明細までは同じようにはならないと思いますが、全体の支出としては、この程度までは抑えていく必要があるのではないでしょうか。
(2)年金について
今後の年金受給額のスケジュールについてお尋ねしたところ、厚生年金の受給額は把握していらっしゃるものの、65歳以降に受け取れる基礎年金の金額がはっきりしていないようですね。

特に注意が必要なのが、長い期間専業主婦だった妻の年金です。このような女性の中には、手続き漏れによる受給資格未達の方が全国に相当数いらっしゃるそうですよ。万が一トッピーさんの妻がそうであった場合でも、手続きをすれば年金を受け取れるようになりますので、その辺も含めて、65歳以降にいくらの年金がもらえるのか、今一度所轄の社会保険事務所に確認に行かれることをおすすめします。
(3)生命保険について
「持病が心配なので入院保障を増やしたい」とのご希望ですが、すでにご病気の治療をなさっている場合、新規保険に加入するのは難しいですね。しかし、トッピーさんの場合、これ以上増やす必要は全くないと思います。それどころか、保険料負担が年間48.3万円と大きく、しかも全て掛け捨て。出来ることならどこか削りたいぐらいですね。

確かに、たくさん保険に入っていると、もしもの時にたくさんの給付金をもらえますが、これは本当に多ければ多いほど良いものなのでしょうか? 入院にかかった経費以上に給付金をもらって儲かる必要は全くないわけで、そのために「入院していない間にどれだけの保険料を払わなければいけないのか」ということも考える必要があると思います。

では、入院等にかかる経費はどれくらい?
実は、入院等で医療費が多くかかった場合でも、健康保険が適用される範囲内の診療であれば、私たちが一カ月間に負担しなければならない金額には上限が設けられています。トッピーさんの年齢・年収であれば『72,300円+(医療費−241,000円)×1%』がその上限です。

ということで、仮に、医療費が月間100万円(=窓口自己負担30万円)かかったとしても、
72,300円+(1,000,000−241,000円)×1%=79,890円
となり、これ以上の負担は免れます(請求したら返金されます)し、入院時の食事代も、自己負担額は1日780円となっています。ですから、純粋に入院費用のみの部分では「1カ月10万円程度が目安」と言えると思います。

その他の経費については、個室利用時などの"差額ベッド代"がよく言われますが、実は病院は、治療上それが必要な場合は、患者に請求してはならないことになっていますので、自分から個室や少人数部屋を希望して利用しない限り、"差額ベッド代"はかからないのです。これ以上は、「どれだけのお金がかかるか」というよりも、「どれだけのお金をかけるか」によって変わってくると思います。

一方、死亡保障については、払済になっている終身保険500万円の必要性をあまり感じでいらっしゃらないようですね。不要なのであれば、解約すると『解約払戻金』という形で現金が返ってきます。ただし、金額は200万円程度だと思います。

結論。私だったら、ガン保険と医療共済を残して、あとは全て解約します。すると、ご夫婦ともに入院保障を日額7,000円残した上で、月々2.8万円の保険料が節約できますね。共済だけでは70歳以降の保障がなくなってしまいますが、これから10年間で払う保険料約332万円が浮くことになりますので、これをしっかり貯めていってはいかがでしょうか。すると、日額7,000円で計算した場合、この分で475日分の保障が確保できることになります。

とは言え、持病のこともありますので、この先は自己責任でご判断いただきたいと思います。
♪ 最後に ♪
いろいろと厳しい事ばかり書いてしまいましたが、なによりまだまだお若いのですから、しばらくの間は、お体に無理のない範囲でお仕事をなさるのが一番いいのではないでしょうか。そうすることが、"心と体とお金の健康"にとって、最も優れた方法であるように感じます。

コメント作成:ファイナンシャルプランナー 佐藤名ゝ美
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