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2006年
5月の相談者
かっぱちゃん
埼玉県川口市
貯蓄を1年にどれくらいしていけば先々教育費等まかなえるのかわからなくて不安です。現在、持ち家でローンはありません。
昨年1年間で170万くらい貯金ができたのですが、これから支出が増えていくというのに、ストレス解消を言い訳に自分のものや子供のものなど買い物してしまって、そのペースで貯金できていません。子供ももう1人と考えているので車も買い替えを検討しています。
少しはゆとりをもちつつでもきっちり必要な分を貯めていきたいのですが、先のことが漠然としすてぎていていくら貯めればいいのか恥ずかしながら自分ではまったく考えが及ばず焦っています。
■家族構成
・夫 40歳 会社員 年収約610万(総支給額)
・妻(本人) 32歳 専業主婦
・長男 1歳

■家計簿データ

毎月 年間 合計 メモ
収入 夫給与 360,975 1,812,000 6,143,700
児童手当 5,000 0 60,000
合計 365,975 1,812,000 6,203,700
控除 所得税 10,120 99,212 220,652
住民税 19,100 0 229,200
厚生年金 29,290 129,238 480,718
健康保険料 10,824 48,364 178,252
介護保険料 2,050 4,530 29,130
雇用保険料 2,887 14,656 49,300
労働組合費 5,700 0 68,400
合計 79,971 296,000 1,255,652
支出 食費 70,000 0 840,000 外食込み、毎月水に8,930円
住居費 0 72,400 72,400 固定資産税
光熱費 25,113 0 301,356
通信費 18,094 0 217,128 携帯電話・ネット込み
生命保険料 38,584 0 463,008
損害保険料 300 0 3,960 ゴルファー保険
娯楽・レジャー費 2,000 0 24,000 主に本・雑誌
被服費 16,000 70,000 262,000
車維持費 5,000 39,500 99,500 年間分は自動車保険料
夫婦こづかい 50,000 0 600,000
医療費 16,000 68,000 260,000 年間分は使い捨てコンタクトレンズ代
新聞代 3,925 0 47,100
その他 10,000 70,000 190,000
合計 255,046 319,900 3,380,452
貯蓄 住宅財形 5,000 10,000 70,000
積立 20,000 0 240,000
子ども名義 5,000 0 60,000 児童手当を積み立て
その他 0 1,000,000 1,000,000
合計 30,000 1,010,000 1,370,000
収支 958 186,100 197,596

現在の金融資産残高    約950万円    

■貯蓄の内容
名義目的金額
月々・ボーナスの貯蓄3,480,013
個人の貯蓄4,579,302
個人の貯蓄172,312
次回の出産費用1,197,925
子ども児童手当を積み立て65,000
合計9,494,552

■保険の内容
被保険者 保険種類 保険期間 死亡保障
(万円)
入院保障
(円)
保険料
(円)
備考
定期付
終身保険
終身保険終身 300
10,845
定期保険特約50歳満了 1,700

入院特約80歳満了
5,000
定期保険60歳満了 1,700
8,398
合計 3,7005,00019,243
アカウント型
保険
死亡保障38歳更新 3,000
9,866
入院特約38歳更新
5,000
合計 3,0005,0009,866
子どもこども保険主契約 18歳払込満了 100
9,475 祝金累計:160万円
入院特約18歳払込満了
5,000
合計 1005,0009,475
ご家族の合計 38,584

●●かっぱちゃんへのアドバイス●●
FPさんこんにちは、かっぱちゃん。「ストレス解消を言い訳に買い物をしてしまって・・・」の一言がとても気になります。一体何がそんなにもかっぱちゃんを追い込んでいるのか想像がつきませんが、ストレスの原因が「思うように貯蓄できない」ということでしたら、微力ながらお力になることができるかもしれません。では、見ていきましょう。
(1)家計全般について
お子さんが小さく、これから月々の生活費や教育費がジワジワと増えてくることが予想される中、赤字にこそなっていないものの、確かに月々の収支にはそう大きな余裕がある訳ではありませんね。

しかしながら、冷静に状態を分析すると、

 ・持ち家で住宅ローンなし
 ・1,000万円近くもの金融資産がある
 ・安定した収入があり、年間100万円を超える貯蓄ができる家計体質

と、全体的なバランスはむしろ良い方で、私には非常に羨ましく思えます。これで不安だというのは、きっとかっぱちゃんが几帳面で真面目な方だからなのでしょうね。

昨年は、1年間で170万円も貯金をなさったのだそうですね。これは、手取り収入のおよそ3分の1にあたる金額。本当にすごいですね。しかし今年は、「昨年と同じペースでは貯金できていない」という理由で焦っていらっしゃるのだとか。しかし、「昨年と同じペースで貯金できていない」のはそんなにまずいことなのでしょうか? もしそれがストレスの主な原因なのでしたら、「それを解消するために買い物」という結果につながってしまっては本末転倒ですね。どうか、過去の頑張った自分を現在や未来への足かせにしないで、ただ素直に褒めてあげていただきたいと思います。

ところで、ちょっとご質問。かっぱちゃんは、お金は一体何のためにあると思いますか?きっと、この問いに対する唯一絶対の答えはないのでしょうが、私は、お金は最終的には何らかの形で使うためにあるのだと思っています。どんなに働いて稼いだところで、どんなに節約して貯めたところで、お金は所詮この世のもの。当たり前のことですが、あの世に持って逝くことはできませんよね。ですから貯蓄も「(生きている間に)いつか使うために・・・」が前提です。ということは、貯蓄をどのように考えていくかと言うのは、単純に「いま使うか、あとで使うか」というバランスの問題であるような気がします。

これを踏まえて、かっぱちゃんへご提案したいのは、『残りは全部使っちゃえ!作戦』です。どんなものかと言うと、資金の目的別に先取りで貯蓄をしたら、「あとで使うお金は」それで準備OK!残りは「いま使うべきお金」なのだから、心おきなく使ってしまいましょうって考え方です。

きっと今までは、「節約して少しでも多く貯蓄に回そう!」と努力をしてこられたんだと思いますが、その結果は、「未来はOKだけど今はNO」でした。やはり家計というのは生身の人間の生活そのもの。あまりにも苦しい努力は、そう長くは続けられないですね。ですから、思い切って発想を逆転。とにかく決めた金額を貯蓄して、ゆとりがあれば楽しむ、厳しいときには倹約するというメリハリをつけていきましょう。すると「未来もOK、今もOK」だと思いますが、いかがでしょうか?
(2)出産費用について
ご長男を出産なさった際に切迫早産で入院された経験から、次のお子さんの出産費用に100万円の予算を計上していらっしゃるとのこと。

ご存知の通り、妊娠・出産は病気ではありませんので、基本的には健康保険・民間生保ともに給付の対象外ですが、切迫流産・切迫早産・帝王切開など、何らかの医療行為が必要な状態となった場合には、健康保険・民間生保ともに給付の対象となります。

そうなった場合、かかった医療費のうち自己負担額は3割のみ。さらに自己負担の合計額が限度額(※1)を超えた場合は、その超えた額は『高額療養費』として払い戻しを受けられますので、実質的な負担額はその範囲に限定されます。さらに、任意で加入している生命保険からは、入院給付金・手術給付金などを受け取ることができますので、貯蓄を崩さずともほとんどの費用はまかなえるのではないかと思われます。

もちろん、何事もなく健康に出産できるのが一番ですが、その場合でも35万円(※2)の『出産育児一時金』が受けられますので、分娩費の大半をまかなうことができるはずです。

確かに、多めに予算を立てておいても余る分には困りませんが、「出産に100万円必要!」と思っていらっしゃることが心理的にプレッシャーになってはいないか心配です。

※1.70歳未満で所得水準一般の場合、1ヵ月あたり「72,300円+(医療費−241,000円)×1%」
※2.平成18年10月以降の金額。9月までは30万円。妊娠85日以降の出産であれば誰でももらえる。
(3)教育資金について
さて、かっぱちゃんの貯蓄目的の一番は、将来の教育資金であるようですね。まずは、「子ども1人あたり年間にいくらの教育費がかかるのか」というデータをご紹介します。

単位(円)
右は、文部科学省が2年ごとに行っている『子どもの学習費調査』(平成16年)のデータです。

「学校教育費」には、授業料・修学旅行費・PTA会費・学習教材費・制服代などが含まれており、「学校外活動費」には、塾や家庭教師の費用・芸術文化活動・スポーツ&レクリエーション活動・図書費などが含まれています。

区分学校教育費学校給食費 学校外活動費学習費総額
幼稚園 公立 128,66716,63092,881238,178
私立 341,27326,177141,969509,419
小学校 公立 54,51540,798218,848314,161
中学校 公立 132,60336,701299,469468,773
私立 956,2333,100315,4351,274,768
高等学校
(全日制)
公立 342,152-174,179516,331
私立 769,458-265,2311,034,689

単位(千円)
大学での教育費に関しては、同じく文部科学省が2年ごとに行っている『学生生活調査』(平成14年)が参考になります。

「学費」の内訳は、授業料・その他の学校納付金・修学費・課外活動費・通学費で、「生活費」の内訳は、食費・住居&光熱費・保健衛生費・娯楽嗜好費・その他の日常費となっています。

区分学費生活費合計
自宅 国立 685.4443.21128.6
私立 1320.0490.21810.2
学寮 国立 558.4793.91352.3
私立 1262.7973.72236.4
下宿等 国立 602.41264.91867.3
私立 1320.21293.62613.8

このあたりの数字を基に、幼稚園から大学までの教育費は「オール公立で1,000万円、オール私立で2,000万円」などとよく言われますが、中身をよく見ていくと「学校外活動費」のように、「いくらかかるのか」というよりも「いくらかけるのか」といった性質のものも多いですし、特に大学では自宅を離れて学ぶ場合もあり、純粋な教育費よりも生活費に多くの費用がかかる可能性も高くなります。

また、これらの費用は、一部を除いて「あるとき一度に必要となるもの」ではなく、大半を毎月の生活費の中から捻出していくものです。しかし、さすがに高校・大学となると金額が大きくそうもいかなくなりがちですから、それに備えて事前に用意していくのです。

さらに、これらの費用は、必ずしも親が全てまかなわなければならないものでもなく、子ども自身が奨学金を受けたりアルバイトをしたりという方法もあり、実際にそれらを活用する方も多くいらっしゃいます。

まとめると、教育費をいくら用意したらいいのかというのは、ご家庭ごとの考え方に大きく左右されるということです。まずは、お子さんにどこまでしてあげたいのか、どこまでしてあげられるのかを真剣に検討し、かっぱちゃんなりの目標額を設定することから始めて下さい。
(4)貯蓄について
もちろん、貯蓄の目的は教育費だけではありませんね。老後資金・住宅のメンテナンス費用・耐久消費財の購入など必要な項目を立てて、それぞれの資金が「いつまでにいくら用意できればいいのか」を順に書き出していきましょう。あとは、その金額と期間に応じた積立額を割り出していきます。

ここで注意したいのは、準備期間の長短によって最適な運用手段が異なるということです。全てを預貯金でまとめるのは、「収益性が低くインフレ(物価上昇による貨幣価値の目減り)に弱い」というリスクが伴いますので、必要に応じて投資信託などを活用したいものです。ただしその場合、「元本保証がない」という別のリスクを伴いますので、投資運用に強いファイナンシャルプランナーを探してご相談になられることをお勧めします。できれば地元で継続してサポートして下さる独立系(金融機関に勤めていないFP)の方がいいですね。
♪ 最後に ♪
大変個人的な話で恐縮ですが、私自身は「与えすぎないように」という方針で子育てをしています。親が何でも与えてやることで、子どもが自分の力で勝ち取ることを妨げてしまうと思うからです。子どもの自立は親の老後に直接影響する問題でもありますので、小さい頃から「程よく与えて程よく自立させる」ということにも取り組んでみられて下さい。

コメント作成:ファイナンシャルプランナー 佐藤名ゝ美
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