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2006年
10月の相談者
ぴんきーさん
静岡県
夫の職場は50代から退職者を募ります。喘息の持病があり交代勤務では体力が持たないので、早めに退職したいと言っています。私が働きに出る予定ですが、保育園に入れた場合に家計がどう変化するか不安です。5年後に実家の父が定年を迎える為、両親の生活の面倒を見なければならない状況です。夫や両親はもう一人子供を生むように言いますが、無理ではないかと思っています。貯蓄をしても息子の教育費や両親の生活で使い果たしてしまいそうで、自分たちの老後に不安があります。
■家族構成
・夫 39歳 公務員 年収約680万(総支給額)
・妻(本人) 27歳 専業主婦
・長男 1歳(未就学)

■家計簿データ

毎月 年間 合計 メモ
収入 夫給与 414,737 1,444,653 6,421,497
農業収入 0 369,234 369,234 お茶の時期のみ収入あり
合計 414,737 1,813,887 6,790,731
控除 所得税 13,690 -86,605 77,675
住民税 16,500 0 198,000
社会保険料 48,064 161,032 737,800
互助会掛金 12,772 0 153,264
その他 7,190 64,050 150330
合計 98,216 138,477 1,317,069
支出 食費 20,000 10,000 250,000
住宅ローン返済 32,200 360,000 746,400
水道光熱費 16,338 0 196,056
育児費 6,000 0 72,000
通信費 13,129 0 157,548 固定・携帯電話、プロバイダ、新聞
保険料 60,101 0 721,212
娯楽・レジャー費 5,000 0 60.000
被服費 2,000 0 24,000
交際費 3,000 0 36,000
美容費 4,625 0 55,500
車費 12,000 149,560 293,560 税金、保険料
夫こづかい 42,000 40,000 544,000
医療費 8,000 0 96,000 夫通院費:7,000円/月
日曜雑貨費 4,000 0 48,000
農業経費 5,000 480,035 540,035
合計 233,393 1,039,595 3,840,311
貯蓄 財形貯蓄 20,000 140,000 380,000
臨時支出用 10,000 300,000 420,000 冠婚葬祭・家電買い替え費用など
車購入資金 30,000 150,000 510,000
教育資金 5,000 0 60,000
貯蓄 15,000 150,000 330,000
合計 80,000 740,000 1,700,000
収支 3,128 -104,185 -66,649


      現在の金融資産残高   約980万円

■貯蓄の内容
名義目的金額
家族の貯金4,304,975
個人の貯金1,085,079
臨時支出用197,217
農業用(義母の遺産)1,839,281
個人の貯蓄1,184,618
車購入資金720,001
長男教育資金457,023
合計9,788,194

■保険の内容
被保険者 保険種類 保険期間 死亡保障
(万円)
入院保障(円) 月払保険料
(円)
病気入院 ガン入院
不明不明 不明
不明9,437
定期付養老保険@42歳満期 2003,0003,0004,100
定期付養老保険A42歳満期 5007,5007,5008,700
ガン保険@終身 15
15,000820
ガン保険A終身 15
15,0001,730
ガン保険B終身 10
10,0001,970
合計 74010,50050,50026,757
積立終身保険終身 3,0005,00010,00010,944
個人年金保険60歳払込


10,000
合計 3,0005,00010,00020,944
養老保険18歳満期 2503,7503,75012,400
合計 2503,7503,75012,400
ご家族の合計 60,101


●●ぴんきーさんへのアドバイス●●
FPさんこんにちは、ぴんきーさん。お子さんのこと、お仕事のこと、ご両親のこと・・・と、心配事が多くて大変ですね。お便りを拝見するに、周囲の協力が得られず、孤軍奮闘なさっているご様子ですが、どれを取っても、本来ぴんきーさんが一人で背負わなければならないことではないように思います。責任感が強く思いやりの深い人柄が伝わってくる反面、そんなぴんきーさんのことがとても心配です。では、見ていきましょう。
(1)家計全体について
月々の可処分所得(総収入から社会保険料・税金を差し引いた金額)31.6万円のうち、財形を含めた積み立てに8万円、さらに、貯蓄型の生命保険に3万円と、実質毎月11万円を貯蓄に回していらっしゃる計算です。
このうち、「臨時支出用」については短期で取り崩していらっしゃるかもしれませんが、これを差し引いても、年間可処分所得の4分の1近くが蓄えられているという、なかなかお見事な貯蓄体質家計だと思います。
この状況に対するご本人の実感は「ギリギリで我慢の多い生活」なのだそうですね。
夫の退職を15年後とかなり早めに想定していらっしゃるということで、将来の生活が心配なのもよくわかりますが、そのために少々現在の生活を圧迫し過ぎてはいないでしょうか。

また、これから5〜10年の間にご両親と同居して、生活費を丸抱えなさるつもりだということですが、これについては考え方を根本的に見直す必要があるように思います。
ご両親は今のところご健康で、十分なご収入もおありなのだそうですね。ということは、将来的にはそれなりの年金も受給できるはずです。「親孝行をしたい」という心がけはすばらしいですが、ご両親がお元気な間の生活設計はご両親にお任せしておけばいいのではありませんか?
ぴんきーさんご夫婦によほどの余裕があるのならまだしも、一方では、
「長男の物はお下がりばかりで新品を買ってあげられず、習い事も諦めています」
「食事も野菜ばかりなのでもっと魚も食べさせてあげたいです」
と、育児に十分な予算をかけられないストレスを抱え、今後の出産を諦めようかとまで思い悩んでいる状況なのですよね。
最優先すべきは、自分の始末がつけられるはずの"大人の将来"ではなく、小さくて守ってあげるべき"お子さんの今"です。しばらくは少しくらい貯蓄のペースを落としても、お子さんに必要な支出をきちんと確保してあげてほしいと思います。
(2)生命保険について
メインとなっている夫の保険証券が紛失しているということで、保障の全体像を掴むことができませんでした。「夫に頼んでも問い合わせをしてくれない」そうで、やむを得ずそのままになっているようですが、生命保険はいざという時にご家族の生活を支える非常に重要なものですので、内容は必ず把握しておきたいものですね。
とはいっても保険会社は、契約内容について本人以外の人には絶対に教えてくれません。また、単に内容を把握しただけではいずれにしても後々困りますので、この機会に『保険証券再発行』の手続きをしましょう。
保険会社に電話して、「保険証券再発行の書類を送って下さい」と依頼してみて下さい。ご本人から直接の電話でなくても、ご自宅宛に書類を郵送することには特に問題無く応じてくれるでしょう。書類が到着したら、夫の自署をもらって返送すると、しばらく経ってから保険証券が郵送されてくるはずです。

1つ1つの保障内容を詳しく分析すると、ところどころにムダ・ムラが見受けられます。
3本ある養老保険を『貯蓄』と見た場合、1番古い契約を除いた残りの2本は、支払う保険料が満期保険金を上回る"元本割れ"の状態。『保障』と見た場合には、その金額が小さくあまり「頼りになる」とも言い切れず・・・。何とも中途半端な感じです。

夫のがん保険は、大変似通った内容で3本の契約があります。1つ1つの契約は決して高い保険料ではありませんが、夫の分ばかりダブっていくつも加入するよりも、保険料の一部を、ぴんきーさんのがん保障に回すことを考えられた方が良いのではないでしょうか。

ぴんきーさんの保険については、近い将来に一家の大黒柱になられることを考えると、ある程度大きく確保しておきたいですね。ご加入中の保障も決して悪い内容ではないと思いますが、遺族の生活保障について『収入保障保険』を柱に設計することで、もっと効率の良いものにすることは可能だと思います。

具体的な見直し作業については、保険に詳しいファイナンシャルプランナー、または、複数の保険会社の保険商品を比較・提案してくれる『乗合保険代理店』を、地元で探してご相談になられるのが一番だと思います。
ここを上手く見直すことができると、家計は劇的に改善できる可能性が高いでしょう。
(3)教育資金・老後資金について
将来的に必要となる資金であることには違いありませんが、10年・20年・・・といった長期の資金ですので、「慌てて必死に貯める」のではなく、時間をかけてゆっくり育てることを考えましょう。すぐには使わない(使ってはいけない)資金の運用には、預貯金や保険といった『固定金利型』の金融商品よりも、投資信託や変額年金などといった『投資型商品』の方が向いています。

投資には「価格変動のリスク」が付きものですが、これは長い時間をかけることで軽減できる可能性が高くなりますし、逆に、長期資金の泣きどころである「インフレリスク(物価上昇により実質的な貨幣価値が目減りすること)」に対応できるのは、投資型商品ならではの強みです。
最近ではこれらの商品を、証券会社だけでなく銀行や郵便局の窓口でも購入することができるようになり、かなり身近になっていますが、元本保証がなく、自己責任が問われる世界ですので、ゆっくり内容を理解しながら取り組んでいきたいものです。

それでも、やってみないとなかなか理解できないのもまた事実。まずは"はじめの1歩"として、「3〜5万円だけ投資してみる」というのはいかがでしょうか。実際に自分のお金を投資することで、経済の動きにも自然に目が向くようになると思います。ゆっくり時間をかけて経験・勉強し、徐々に理解できるようになってきたら、少しずつ投資のボリュームを増やしていかれると良いでしょう。
♪ 最後に ♪
今後の出産をどうするのかという点については、純粋にぴんきーさんがどうしたいのかという気持ちに従われるのが一番正しいと思います。ご自身がどうしても嫌なのでしたら別ですが、「本当は出産したい」という気持ちがあるのでしたら、それを無理に諦めて2〜3年前倒しで仕事を始めたからと言って、その収入が生まれてくる子どもの価値を上回ることは絶対にあり得ないと思います。
家計相談でこのようなお話をするのは変かも知れませんが、「子どもは自分の食い扶持を持って生まれてくる」のだそうですよ。人生には計算できることなんてそう多くはないのではないでしょうか。「何とかなる」もまた真実だと思います。

コメント作成:ファイナンシャルプランナー 佐藤名ゝ美
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