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2006年
11月の相談者
kameちゃん
愛知県丹羽郡
家を建替えることになり、2000万円のローンを組むことになりました。但し、私たちの年の割には子供が小さいのでローンを返済しながらこれからかかる教育費や老後のことをどのように見通したらよいのか教えていただきたいです。今現在はまだ仮住まいなのですが、建替えのローンは今月から返済が始まっています。家賃は主人のへそくりからでているので、家計の負担はありません。また、前の家のローンは完済しました。住宅が完成していないので最終の住宅資金が分からず、記入してある貯金もどれだけ減るのかはわかりません。大体ここから100万から150万減る予想です。ローンは私がパートで働きだしたのが今年に入ってからなので、その収入を繰り上げに充てるつもりで3年固定を組みました。
■家族構成
・夫 43歳 会社員 年収約750万(総支給額)
・妻(本人) 39歳 パート 年収約97万(総支給額)
・長男 4歳(保育園)

■家計簿データ

毎月 年間 合計 メモ
収入 夫給与 465,186 1,915,380 7,497,612
妻給与 80,664 0 967,968
児童手当 5,000 0 60,000
合計 550.850 1.915.380 8.525.580
控除 健康保険 19,140 83,489 313,169
厚生年金 31,433 136,806 514,002
雇用保険 3,936 15,322 62,554
所得税 11,450 100,785 238,185
住民税 9,400 0 112,800
その他 7,475 0 89,700 組合費・駐車場費など
合計 82,834 336,402 1,330,410
支出 食費 58,086 0 697,032 外食費含む
住宅ローン返済 62,000 0 744,000
住宅維持費 2,939 129,220 164,488 年払いは固定資産税・火災保険料
水道光熱費 18,015 0 216,180
通信費 17,641 15,355 227,047
保険料 43,337 227,891 747,935
教育費 25,206 51,223 353,695
娯楽・レジャー費 5,656 181,053 248,925
被服費 6,225 0 74,700
交際費 4,000 0 48,000
車両維持費 4,000 248,124 296,124 自動車税・車両保険料含む
夫こづかい 55,000 187,000 847,000
医療・美容費費 30,970 46,200 417,840
その他 5,700 844,571 912,971 家具・家電・パソコン購入
合計 338,775 1,930,637 5,995,937
貯蓄 住宅財形 60,000 400,000 1,120,000
一般財形 10,000 20,000 140,000
子供用 20,000 0 240,000
保険年払い用 20,000 0 240,000
合計 110,000 420,000 1,740,000
収支 19,241 -771,659 -540,767


      現在の金融資産残高   約530万円

■貯蓄の内容
名義目的金額
普通預金444,039
定額貯金710,000
住宅財形610,000
一般財形50,000
普通預金480,651
郵便貯蓄10,115
定額貯金787,000
年払い保険料用340,000
個人向け国債900,000
長男定額貯金836,000
郵便貯金137,000
合計5,304,805
            ( うち建て替え資金用            2,157,000 )
■保険の内容
被保険者 保険種類 保険期間 死亡保障
(万円)
入院保障(円) 月払保険料
(円)
年払保険料
(円)
病気入院 ガン入院
変額保険(終身型)終身 300


40,492
定期保険98歳 350


129,367
生命傷害共済70歳満了 1006,0006,0002,400
収入保障保険61歳満了 月々15

6,405
医療保険終身
5,0005,0003,165
ガン保険終身 15
15,0002,691
交通災害共済1年更新



500
個人年金保険
(15年確定)
60歳年金
開始



9,650
合計 76511,00026,00024,311170,359
変額保険(終身型)終身 300


56,532
生命傷害共済70歳満了 1006,0006,0002,400
医療保険終身
5,00010,0002,552
ガン保険終身 10
10,0002,602
個人年金保険
(15年確定)
60歳年金
開始



9,372
交通災害共済1年更新



500
合計 41011,00026,00016,926457,032
コープ共済18歳満了 1006,0005,0001,100
県民共済18歳満了 2005,0005,0001,000
ガン保険
(母の特約として)
22歳まで

6,000-
交通災害共済1年更新



500
合計 30011,00017,0002,100500
ご家族の合計 43,337227,891


●●kameちゃんへのアドバイス●●
FPさんこんにちは、Kameちゃん。まずは、ご自宅の新築おめでとうございます。「前の家のローンは完済しました」ということは、2回目の住宅ローンなのですね。建て替え前のお宅は中古で買われたもの? それとも、かなりお若いうちに建てられたものでしょうか。いずれにせよ、まだまだ馬力があるうちに建て替えが実現していることは、とても心強いことだと思います。では、見ていきましょう。
(1)家計全体について
年間の収支は一見赤字に見えますが、毎月とボーナス毎に決まって貯蓄されている金額が大きく、差し引きで実質年間120万円の黒字です。
今年から新たに『住宅ローン返済』という大きな支出が発生しているにもかかわらず、貯蓄のペースを落とさずに済んでいるのは、何と言ってもKameちゃんが頑張ってお仕事を始められたからにほかなりませんね。
家事・育児とお仕事の両立は本当に大変だと思いますが、お子さんにとっても、保育園という社会への第一歩を踏み出すにはちょうどいい頃ですし、Kameちゃんご自身にとっても、母でもなく妻でもない一個人として社会に出ることには、大きな意味があると思います。

さて、現在の家計収支について、日常生活費にはこれといった無駄は見当たらないのですが、生命保険と貯蓄方法について、若干見直しの余地があるように思います。
それぞれについて具体的に見ていく前に、ちょっとこちらのライフイベント表をご覧下さい。

ご覧の通り『ライフイベント表』は、期間の経過とともにご家族の状況がどのように変化していくのか、事実を淡々とまとめただけの至ってシンプルな表ですが、まさにライフプランニングの基本であり、保険設計やローン返済計画、貯蓄計画のために大変参考になる資料です。
この表から読み取れることはたくさんありますが、いくつか代表的なものを挙げてみましょう。
  ・  11年後から18年後にかけて、教育費がピークを迎える
  ・  子どもが大学3年生のとき、夫は60歳を迎える。
     (職場の雇用制度次第だが、ここで収入が激減する可能性がある。)
  ・  このままいくと、公的年金受給開始後10年間は住宅ローン返済が続く
                                             など…

しかしながら、これはあくまで今の状態に基づくもので、状況が変わると当然ながらこの表も変わってきます。
例えば、住宅ローンを繰り上げ返済すれば完済時期が早まるでしょうし、お子さんが大きくなるにつれて、「専門学校に進みたい」「大学院にも行きたい」などの希望が出てくれば、教育プランも変更になるでしょう。
そんな時は、この表を何度でもご自分で作り直していただきたいと思います。そしてその際には、私が記入した「来たるべき事実」以外にも、例えば『○年後に海外旅行』などといった"夢プラン"も、ぜひ書き込んでみて下さい。

『ライフイベント表』の製作にあたってお勧めしたいのは、「ご家族の年齢は手書きで!」ということです。枠はパソコンで作られてもいいと思いますが、とにかく一度「騙された」と思ってやってみて下さい。きっとパソコン入力ではわからない"リアルな体験"ができると思いますから。
(2)生命保険について
2年ほど前に、全体的な見直しをなさっていますね。結論から言うと、お子さんの年齢や世帯の収入、公的年金の受給額などに合わせて、大変合理的な設計がなされていたと思います。しかし、その当時から状況が変わった点がありますので、そこに注目して、手を加えるべきかどうか考えてみたいと思います。

【2年前から変化した点】
@ 住宅ローンの返済が始まったこと
A Kameちゃん自身に収入が発生したこと

まずは、夫の保障について。@については、住宅ローンに団体信用生命保険が付きますので、夫に万一の場合はローン返済が不要となります。この点については、結果的に2年前と状況は変わらないことになりますので、保障額の変更は必要ないでしょう。
Aについては、ご家庭にとって大変大きなプラス要素となりました。現在の生活だけを見ると、『収入保障保険』の月々の保障額は10万円程度で足りるのではないかと思います。
ただし、お子さんの高校卒業と同時に公的遺族年金の受給額が減ってしまう(現在の価格で年間−20万円程度)ことを考えると、減額してしまうのも心細く…。ゆとり分として現状維持で構わないでしょう。どうしても保険料の負担を軽くしたい場合には、定期保険(350万円)の期間短縮で調整を。長期の定期保険は貯蓄も兼ねることができますが、そのために保障が小さい割に保険料負担が大きくなってしまいます。

次に、Kameちゃんの保障についてですが、共働きでの住宅ローン返済が始まることを考えると、もしものときに住宅ローンが完済できる程度の死亡保障を増額しておきたいところです。特にお子さんが小さいうちは、母親のいたときと同様に父親が仕事に集中するのは難しくなるはずです。それでもどうにかやっていけるように、住宅ローン残高程度の保障は持っておきましょう。

お子さんの保障については、少し過剰かもしれません。2つある共済のうち、どちらか一方を解約されてもいいのではないでしょうか。

今後も、家族の状況が変われば必要な保障も随時変わっていくはずです。また、保険商品についても競争が激しく、場合によっては年齢を重ねていたとしても掛け変えることにより保険料を安くすることができる可能性がありますので、数年ごとの定期的な見直し(掛け替えるとは限りません)をお勧めします。
(3)貯蓄方法について
今までは、住宅の建て替え資金の準備手段として、住宅財形を中心に積み立ててこられたのですね。建て替えが済んで一区切りついたところで、今後の方針を一部見直すにはいい時期だと思います。
「私の収入を繰り上げ返済に充てるつもりで…」
と、かなり住宅ローン返済を重視していらっしゃいますが、これからは、それだけでなく教育資金や老後資金の準備も進めていかなければなりませんね。

現状は、毎月の積み立てを見ても、現在の貯蓄残高を見ても、そのほとんどが預貯金など超低金利の固定金利商品です。こうした商品には、『元本割れのリスク』がほとんどない代わりに、「殖えない」というリスクがあります。
ここで、下の表をご覧下さい。

【毎月1万円ずつを複利で積み立てた場合の元利合計額】(単位:円)
金利5年後10年後15年後20年後
0.5%607,6881,230,7561,869,5942,524,601
3%648,0831,230,7562,275,4013,291,228
5%682,8941,559,2932,684,0264,127,463
8%739,6671,841,6573,483,4515,929,472
                                  ※税引き前

いかがですか? 金利の力ってすごいでしょう? 0.5%で運用を続けた20年間と、8%で運用を続けた20年間では、結果に倍以上の開きが出てきます。
もちろん、高利の運用をしようと思えば、それなりにリスクを取らなければなりませんが、安全性ばかりに注目していると、長い時間をかけて貨幣価値そのものが目減りしてしまう『インフレリスク』に対応できなくなってしまいます。リスクのない金融商品はないのですから、目的に合わせて上手に運用していきましょう。
まずは、教育資金や老後資金などといった10年以上先にしか使わない(あるいはそれまで使ってはいけない)資金について、株式や債券などを織りまぜた投資信託の積立あたりから始めてみましょう。『価格変動のリスク』を伴うものの、「商品の分散」「時間の分散」を図ることができ、比較的安定的に運用していけると思います。
♪ 最後に ♪
今年はKameちゃんにとって、楽しいことと大変なことが一度に押し寄せた1年だったと思います。でもきっと、一生の記念に残る素敵な年だったのではないでしょうか。しばらくはお子さんにも手がかかり、「生活のペースを掴むのがやっと」という状態かもしれませんが、それもきっと薄皮を剥がすように楽になってくると思います。同じ働く女性同士、これからもお互いがんばりましょうね。

コメント作成:ファイナンシャルプランナー 佐藤名ゝ美
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