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2007年
9月の相談者
こまったちゃん
東京都目黒区
主人の父が経営する小さい会社で、二人とも働いています。会社のやりくりは苦しく、毎年父が私財を投入して、赤字を補填しています。主人の給与は、残業に左右されますが、現在はほとんど残業がない状態なので、毎月の手取額は、10年前より15万くらい下がっており、賞与も、手取りで年間32万くらいしかありません。 娘二人は大学進学を希望しています。住宅ローンは完済出来たので、現在は、毎月10万円貯金しているのですが、退職金はゼロで、会社も 不安定な状態。そこで働く私も、会社の赤字を増やすだけなので、今以上の収入は期待出来ません。子供たちの教育資金、その後の老後資金として、一体どのくらいの貯蓄が必要なのか、見当が付きません。いつ頃までに、いくらの貯金が必要といった目安が判ればと思います。
■家族構成
・夫 47歳 会社員年収約599万(総支給額)
・妻(本人) 47歳 パート年収約83万(総支給額)
・長女 17才(私立高校)・次女 10才(公立小学校)

■家計簿データ

毎月 年間 合計 メモ
収入 夫給与 469,737 360,000 5,996,844
妻給与 69,500 0 834,000
合計 539,237 360,000 6,830,844
控除 厚生年金 43,193 19,800 538,116
健康保険 27,730 332,760
雇用保険 3,235 38,820
所得税 7,280 27,446 114,806
住民税 21,275 0 255,300
合計 102,713 47,246 1,279,802
支出 食費 69,072 0 828,864
住居費 3,100 83,600 120,800 年:固定資産税
水道光熱費 31,210 0 374,520 夏・冬は1万円アップ
通信費 27,313 0 327,756
交通費 7,703 0 92,436 長女の定期代含む
衛生・消耗品費 9,447 0 113,364
生命保険料 50,679 0 608,148
損害保険料 2,700 0 32,400
教育費 77,523 125,748 1,056,024 学校・習い事・通信添削費
レジャー費 5,080 100,000 160,960
被服費 8,610 20,000 123,320
交際費 6,293 0 75,516
趣味・娯楽費 718,839 0 226,068 スポーツジム会費含む
夫こづかい 15,000 20,000 200,000
医療費 4,570 0 54,840
合計 337,139 349,348 4,395,016
貯蓄 財形貯蓄 60,000 0 720,000
自動積立 40,000 0 480,000
合計 100,000 0 1,200,000
差引収支 -615 -36,594 -43,974


      現在の金融資産残高   約780万円

■貯蓄の内容
名義目的金額
銀行定期預金1,000,000
郵便局定額貯金2,700,000
財形貯蓄660,000
銀行自動積立440,000
郵便局定額貯金3,000,000
合計7,800,000

■保険の内容
被保険者 保険種類 保険期間 死亡保障
(万円)
入院保障(円) 月払保険料
(円)
病気入院 ガン入院
医療終身保険終身 4,8006,00036,00025,584
医療終身保険終身 4,7505,00020,00013,870
個人年金保険60歳


8,625
長女 COOP共済18歳 5007,0007,0001,600
次女 COOP共済18歳 1006,0006,0001,000
ご家族の合計 50,679


●●こまったちゃんへのアドバイス●●
FPさんこんにちは、こまったちゃん。10年前より月収が15万円少なくなって苦しいとは言え、可処分所得の2割に当たる120万円を貯蓄に回していらっしゃるのはご立派だと思います。これには、住宅ローンを既に完済なさっているのも大きいですね。お子さんの教育資金、ご夫婦の老後資金について「いつまでにいくら貯めたら・・・?」というご質問ですが、細かな条件が変わると、意外と大きく数字がブレてしまうため、一概に金額を提示するのはなかなか難しく・・・。それぞれについての考え方ということでお話ししていきたいと思います。では、見ていきましょう。
(1)教育資金について
まず、大前提として考えておかなければならないのは、
「お子さんの大学進学資金は親御さんが全額負担するのかどうか」
という点です。大学生ともなると、お子さん自身がアルバイトをするなり、奨学金を受けるなりして一部負担するという方法もありますよね。そういう選択をするかしないかで資金計画はかなり変わってきますし、それが結果としてご夫婦の老後生活資金にも影響を与えます。一度真剣にお子さんと話し合ってみられてはいかがでしょうか。
もし、ご本人も負担するという場合には、その金額まで大まかにイメージしておきたいものです。

本題の「いつまでにいくら位用意するのか」という問題ですが、どうやら上のお子さんの中には、既に具体的な志望校があるご様子ですね。となると一番いいのは、その学校の入学案内やホームページなどで具体的に経費を調査することです。
受験料や入学金、年間授業料に施設使用料などの他、部活動費や通学定期の値段など、必要と思われるオプションも含めて、いくら位掛かるか一度調べてみましょう。
それぞれの金額が分かったら、それらを「入学時のみ必要なもの」と、「在学中に毎年(毎月)必要なもの」・・・など、支払うタイミング別に見積もります。
さらに、「在学中に毎年(毎月)必要となる経費」から、「本人が負担する金額」や「親御さんが無理なく負担を継続できる金額(現在負担している金額が目安でしょう)」を差し引きます。
こうして算出した金額に卒業までの年数を掛けた数字と、「入学時に必要な金額」を足した額が、上のお子さんが大学に進学する2年後までに準備しておきたい大学進学資金の目安です。

とは言っても、あと2年ではそれを一から貯めていくのに十分な時間があるとは言い難いですね。現実的な話としては、
「これまで貯めてきた貯蓄のうち、2〜6年後に取り崩さなければならない額はいくら位か」
と読み替えていただくことになるでしょう。
下のお子さんについては、少し時間があると思いますので、上のお子さんの経験を参考に準備を進めていっていただけたらと思います。
(2)老後資金について
まずは、現在の生活費を参考に
「ご夫婦お2人になったときには、いくら位で生活できるのか」
について見積もってみましょう。
現在の支出から、お子さんに掛かっている費用(食費や光熱費、通信費などの一部も含む)を差し引きます。すると、年間生活費はざっくり250〜300万円程度になるでしょうか。

これらの基本的な生活費を賄うための収入源は、おそらくほとんどが公的年金になると思われます。次は、年金がいくら位もらえるのかについて見積もりましょう。
これについては、社会保険庁のホームページで簡易試算ができますので、一度お試しになってみて下さい。これまでどんな種類の(国民・厚生・共済)年金にそれぞれ何年加入していて、その間の平均賃金が大体いくら位だったかを入力すると、おおまかな年金受給見込み額が表示されます。
さらに50歳以上になると、個人ごとの実際の年金加入履歴を基に、さらに精度の高い年金見込額を試算してもらうことができますので、その時が来たら再度試算してみられると良いでしょう。

ここまで来れば、あとは果たして年金だけで生活できるか否か、老後の収入と支出を比較します。不足額があれば、その金額に退職以降の生存見込み年数(これが難しいですが、まずは「○歳までは生きるだろう」という漠然としたものでいいです)を掛けてみます。
こうして算出したものに、自動車の買い替え費用や住宅のメンテナンス費用、その他想定しておきたい予算を足した額が、老後資金として退職までに準備しておきたい金額の目安です。
(3)生命保険について
主にご夫婦の死亡・医療保障に保険料のムダを感じました。ここは積極的に見直して家計の健全化を図りましょう。

まずは、夫の保障について。
夫に万一の場合には、公的遺族年金の給付もあることを考えると、下のお子さんが高校を卒業する(夫55歳時)までの生活資金の不足額は、年間150万円程度になりそうです。以降この金額は、末子が大学を卒業する(夫59歳時)までは年間200万円程度に、それ以降は90万円程度に変化していくものと見積もることができます。

このような遺族生活資金を確保するために準備する保険商品としては、収入保障保険が合理的です。収入保障保険というのは、被保険者に万一の場合には、その時点からあらかじめ決められた時期まで毎月(あるいは毎年)契約された金額が受取人の口座に振り込まれるという保険です。
保険事故発生が、契約後の早い時期であればあるほど受取総額は大きく、後になればなるほど受取総額は少なくなるのが特徴です。このように、保障額が逓減する保険に対して
「早く死んだほうが得なの?」
と、不快感を示す方もたまにいらっしゃいますが、遺族生活資金の必要保障額は、残りの期間が長いほど必要保障額が大きく、長生きするほど次第に少なくなっていくものです。このラインに沿って保障額を逓減させることで、必要なときに必要なだけの保障をきちんと確保しながら、保険料を割安に設計できるのが収入保障保険なのです。

では、いつまで、いくら位の保障を持ちましょうか。
前述した万一の場合の生活資金の不足額を参考に、収入保障保険を2本組み合わせてみました。
@ 60歳まで毎月10万円(年間120万円)保障(月払保険料:約4,000円)
A 65歳まで毎月8万円(年間96万円)保障(月払保険料:約5,000円)
2つを合計すると、60歳(末子独立年齢、妻60歳)までは毎月18万円(年間216万円)、以降65歳(妻65歳)までは毎月96万円を生活資金として受け取ることができます。
もし、妻が働く期間を65歳よりも短く考えるならば、Aの保障額を大き目に調整してもいいですね。

これに、万一の場合にすぐ必要になる葬儀費用や予備資金を加えて、1,000万円程度の一時金が受け取れる保険を準備しましょう。この部分の保険種類と保険期間は、とりあえず教育費が掛かる間の負担を抑えるために、10年更新の定期保険(月払保険料:約5,000円)で十分だと思います。
医療保障についても、10年更新タイプで入院保障日額1万円(月払保険料:約4,000円)程度のものを準備できればひとまず安心でしょう。

このような考え方で必要な保障を必要な分だけ組み合わせていくと、保障はしっかり充実させながら、保険料は現在の2.5万円から1.8万円と3割程度カットできることが分かります。
ちなみに、それぞれの保険は、似たような内容のものを色々な保険会社(現在ご加入中の大手生保よりも、外資系や損保系の中堅生保の方が選びやすいと思います)が販売していますが、会社によって保険料は異なります。部品ごとに複数の会社から見積もりを取り、部品ごとに最もお得な会社をピックアップして契約することにより、保険設計の満足度はより高まるでしょう。また、こうすることで後々の見直しも行いやすく、非常に便利になります。
自分だけで見積もりを集めるのが難しければ、複数の保険会社と契約している乗合代理店に相談に行ってみましょう。見積もりから契約、メンテナンスまで手伝ってくれると思います。(もし、自分の意に反する売込みをされたら、別の代理店を探しましょう)

妻の保障については、現在の収支状況を参考にすると、遺族生活資金部分は要らないように思います。定期保険、医療保険を夫と同程度に持っておくと十分でしょう。この場合、月払保険料は合わせて6,000円程度にできると思います。
♪ 最後に ♪
貯蓄と保険についてお話してきましたが、ご理解いただけましたでしょうか。具体的な金額をご提示できなかったのは申し訳ありませんが、考え方が理解できることで、時間が経ち状況が変わった場合に、ご自分で計画を見直していただけるものと思っております。 他に、私が非常に気になったのは、お父様の会社の将来についてです。後々になって、後継者問題や相続問題がなど、大きな悩みに発展しそうな予感が・・・。このような問題は、早く対策するほどより良い解決が出来るケースが多いのですが、デリケートなお話だけに切り出すことさえ難しいですよね。お父様やお母さま、ご兄弟みんなで協力し合って、できることから取り組んでいけるといいですね。

コメント作成:ファイナンシャルプランナー 佐藤名ゝ美
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