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2008年
1月の相談者
WOMANさん
広島県東広島市

私の実の両親(76歳・72歳)、妹(41歳)と同居しています。「食費」「住居費」「光熱費」など共同で使う生活費については互いに出し合っており、私たち夫婦の負担分は、合計30万円かかるうちの11万円です。昨年・今年と、夫と私の車を買い替え200万円の出費がありました。なかなか貯蓄できずに悩んでいます。よろしくお願いします。

■家族構成
・夫 41歳 会社員 年収約560万(総支給額)
・妻(本人) 43歳 パート 年収約127万(総支給額)
・長男 17歳 高校生・長女 13歳 中学生
・父 76歳 無職・母 72歳 無職・妹 41歳 会社員

■家計簿データ

毎月 年間 合計 メモ
収入 夫給与 400,000 800,000 5,600,000 ボーナスは会社の業績による
妻給与 100,000 70,000 1,270,000
合計 500,000 870,000 6,870,000
控除 所得・住民税 21,040 43,646 296,126
厚生年金保険料 30,741 55,736 424,628
健康保険料 19,331 32,800 264,772
雇用保険料 4,248 7,410 58,386
合計 75,360 139,592 1,043,912
支出 食費・住居費・光熱費 110,000 0 1,320,000 両親・妹と出し合い
通信費 10,000 0 120,000
生命保険料 22,000 0 264,000
教育費 28,000 300,000 636,000
娯楽・レジャー費 35,000 0 420,000
車費 37,000 0 444,000
夫婦こづかい 20,000 80,000 320,000
その他 10,000 0 120,000
合計 272,000 380,000 3,644,000
貯蓄 年払用 35,000 0 420,000
教育費用 20,000 0 240,000
貯蓄 95,000 350,000 1,490,000
合計 150,000 350,000 2,150,000
差引収支 2,640 408 32,088


      現在の金融資産残高   約243万円

■貯蓄の内容
名義目的金額
貯蓄預金100,000
貯蓄預金700,000
長男郵便貯金805,000
長女郵便貯金824,000
合計2,429,000

■保険の内容
被保険者 保険種類 保険期間 死亡保障
(万円)
入院保障
(万円)
月払保険料
(円)
年払保険料
(円)
定期保険10年 1,0000-57,170
終身医療保険終身 05,000-24,225
医療共済5年 505,000-20,965
終身ガン保険終身
15,000-20,600
医療保険10年 10010,000-76,457
終身ガン保険終身
10,000--
長男 生命共済不明 不明不明2,000-
終身ガン保険終身
10,000--
長女 生命共済不明 不明不明2,000-
終身ガン保険終身
10,000--
合計 4,000199,417


●●WOMANさんへのアドバイス●●
FPさんこんにちは、WOMANさん。「3世代7人」での生活はずいぶんと賑やかそうですね。生活費の面でも、日々の家事負担などについても、お互いに支え合っていらっしゃるご様子が伝わってきます。しかしその分、今の状態が変化したときのことが心配。特にご両親に万一のことがあった場合については、しっかり考え備えておく必要があると思います。では、見ていきましょう。
(1)家計全般・貯蓄について
「なかなか貯蓄ができずに悩んでいます」
とのことですが、年間経費の"支払用積立"や、お子さん方の"教育資金積立"を除いたところで月々9万5千円もの貯蓄ができているというのは、かなりご立派だと思います。
それというのも、ご夫婦とお子さん2人で計4人分の「食費」「住居費」「光熱費」が、合計11万円で済んでいること・・・つまり大家族であることの恩恵でしょう。
今回、立て続けに2台の車を購入されたことで貯蓄額が大きく減ってしまったため
「こんなに頑張っているのになかなか貯まらない」
という心境になられたのだと思いますが、
「頑張って貯めていたから借金せずに車が買えた」
とも言えると思います。前向きにとらえていただけると幸いです。

とは言っても、車の買い替え需要は、人生の中で今後も幾度か発生するでしょう。いくら高価でも、多少耐用年数が長くても、車は紛れもなく消耗品なのですから。そういう意味では、家具・家電品も同様ですね。
ということは・・・それら"高価な消耗品"を買い換える度に、貯蓄が大きく減ってしまう心細さと向かい合うしかないのでしょうか。

ここでWOMANさんにお尋ねですが、"支払用積立"の中から、自動車税や車検代などを支払うときは、どんなお気持ちになられますか?
「これでまた貯蓄が減るんだわ」
と心細くなられるでしょうか。それとも
「予定通り(だから特に何も感想はない)」
といった感じでしょうか。
恐らく後者なのではないかと思いますが、いかがですか?
一口に"貯蓄"と言っても、
「来年の家族旅行のため」「子どもの教育資金のため」などのように明確な目的を設定して積み立てを行う場合と、
「何かあったときのために」「とりあえず500万円を目標に」という具合に「貯めること」そのものが目的となっている場合に分けられると思います。
そして、前者の場合は、本来の目的のためだったら心置きなく使うことができるのに対して、後者の場合は、本当に必要なことのために使ったのだとしても、予定外に貯蓄を取り崩し、残高を減らしてしまったことに対する心細さが必ずどこかに残ってしまう・・・というのが人間の心理であるようです。

今回のような「取り崩しによる貯蓄残高の減少に伴う不安」を解消するために、WOMANさんにお勧めしたいのは、車や家具・家電品などの"高価な消耗品"の買い替え資金を目的とした積み立てを新たに開始することです。月々9.5万円のうち2〜3万円程度を分別管理されたら良いでしょう。あらかじめ予算化しておけば、同じ金額を積み立てるにも、同じ費用を使うにしても、精神衛生上の違いは歴然です。
しかし一方で、今まで9.5万円ずつ貯めていた部分については、ペースダウンしてしまうことになりますね。
「何年かごとに取り崩すことを考えれば結局同じなんだから」
と言ってしまえばそれまでですが、せっかくなのであと一歩深く考えてみたいと思います。

ここでまたお尋ねですが、WOMANさんは、お金は何のためにあるのだと思いますか?
また、貯蓄は何のためにするのだと思いますか?
この問いに対する答えを一言にまとめるならば、私は「使うため」だと思っています。
仮に、どんなに必死になって1円でも多くの残高を作ることにエネルギーを注いだとしても、所詮お金はこの世のもの。亡くなるときにあの世に持って逝くことはできません。
すぐには使わない資金も、使うタイミングが近々ではないというだけで、ずっと先に「使うため」に貯めているのです。
何が言いたいのかというと、これまで漠然と"貯蓄"としてきた資金は、本当は使う目的があって貯めていらっしゃるのではないかということです。
一番に考えられるのは、"ご夫婦の老後生活資金"や"住宅ローンの繰上げ返済資金"、"ご自宅のメンテナンス資金"などでしょうか。だったら、せっかくですから、これらについても必要となる時期や金額をある程度計画して予算化してしまいましょう。
そうすることで、積み立ての手段も、現在のように預貯金のみに頼るのではなく、特に10年を超える長期で準備していく部分については、有価証券などへの投資という選択の幅が生まれて来ます。
もちろん、これらには"価格変動のリスク"を伴いますが、一方で"殖えないリスク"や物価上昇によって実質的な貨幣価値が目減りしてしまう"インフレリスク"をカバーすることができるという利点があります。

数字を見れば一目瞭然ですが、同じ月々1万円の積み立てでも、
年利0.05%の複利運用だと
 ・ 10年後 ⇒ 1,203,030円
 ・ 20年後 ⇒ 2,412,090円
であるのに対して、
年利5%の複利運用だと
 ・ 10年後 ⇒ 1,559,293円(上記比:+356,263円)
 ・ 20年後 ⇒ 4,127,463円(上記比:+1,715,373円)
になります(いずれも税引き前)。ちなみに、年利0.05%の方が預貯金のイメージで、年利5%の方が比較的ローリスクの投資のイメージです。

これを機会に、
@ 目的別に資金を色分けし
A 必要となる期間に応じた運用方法を選択する
ことに取り組んでみましょう。20年後、30年後には相当な差になるはずです。
そのためには、少しずつでいいですので、資産運用に対する勉強にも取り組んでいただく必要がありますね。最近は、投資初心者を対象とした金融機関等によるセミナーなども盛んですので、まず一度足を運んでみることから始められてはいかがでしょうか。
(2)住宅について
ご自宅の名義について、建物は100%夫の所有、土地は父と夫で2分の1ずつを共有なさっているのだそうですね。いつかお父様に相続が発生した場合の、この土地の権利関係が大変気になります。
お父様名義の財産について相続権を持つのは、お母様とWOMANさん、それからWOMANさんの兄弟姉妹です。法定相続分は、「配偶者2分の1:子2分の1」で、子の相続分は兄弟姉妹で等しく分け合うのが基本的なルールです。
分割の対象となる相続財産は、現預金・有価証券・不動産・家財…など、故人名義の全ての財産ですので、これらを全部合わせたところでそれぞれ折り合いがつく形で分割していくのが通常ですが、もし、お父様の財産が、ご自宅が建っている土地以外にこれといってない場合、お母様とWOMANさんの兄弟姉妹の全員が土地の一部を相続する権利を主張できることになります。
もちろん、その全員で土地を共有することは可能ですが、不動産を複数の人間で共有すると、その後の権利関係が何かとややこしいですので、できるだけ避けたいところ。この土地の上に建っているのが夫名義の自宅であることを考えると、WOMANさんまたはお母様が相続されるのが無難でしょう。
お父さんに万一の場合に、土地の持分をスムーズにバトンタッチできるようにするには、遺言を書いていただく必要があります。また、ひとまずお母様が土地を相続なさるのでしたら、次の(お母様の)相続の際にはWOMANさんが相続できるよう遺言を書いていただきましょう。 その際には、兄弟姉妹の権利にも配慮して、代わりに相続していただく財産を用意しておくことも忘れずに。預貯金等が少なければ、ご両親に生命保険に加入していただくのも有効な対策の一つです。
(3)生命保険について
夫の死亡保障について、災害時の死亡保障額を5,000万円に設定されていますので、もしかしたらこれで十分だと思っていらっしゃるのかもしれませんね。しかし、統計による死亡率は災害死よりも圧倒的に病死が高く、通常は普通死亡時の保障を"保障額"と見ていきます。
では、夫の普通死亡保障額はいくらなのか・・・1,000万円しか用意されておらず、まだまだお子さんの教育費がかかる世代の方にとっては少なすぎると思います。
公的遺族年金や住宅ローンの団体信用生命保険があることも考慮し、現在の生活水準を参考に適切な保障額まで引き上げるためには、月々10万円程度の収入保障保険を上乗せする方法が良いと思われます。WOMANさんの年金支給開始まで確保すると、一応の安心は確保できるでしょう。
♪ 最後に ♪
「将来のためにうまく貯蓄したい」というご相談をお受けする場合、「いかに節約して資金を貯蓄に回すか」という視点の方が非常に多いのですが、既にある程度の貯蓄をなさっている方については、必死になって節約する以前に、お金の流れについて整理の仕方を変えるだけで、金額的にも精神的にも相当な改善につながることは珍しくありません。まさにWOMANさんもそのパターン。少しの工夫と勉強で、どうぞ楽しく、賢く家計を運営していかれますようお祈りしています。

コメント作成:ファイナンシャルプランナー 佐藤名ゝ美
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