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知っておきたい!LINEゲームと供託金問題

知っておきたい!LINEゲームと供託金問題

I AM NIKOM /Shutterstock.com

★LINEゲームのアイテムは通貨★

みなさん、こんにちは。保険マンモスです。

LINEゲームのアイテムの一部が法律(資金決済法)上の「通貨」に認定されたことが話題になりました。ニュースを読んでも、「前払式支払手段」「供託金」「銀行との保全契約」など、難解な用語がでてきてよくわからないというみなさんも多いのではないでしょうか?

じつは、わたしたちの生活には前払式支払手段が広く普及しており、利用者を守る法律が整備されているのです。今回は、前払式支払手段と利用者保護についてまとめました。

★前払式支払手段とは?★

あらかじめお金を払っておいて、店舗やネット上で支払いに使用することができるものを、前払式支払手段といいます。聞き慣れない用語ですが、身のまわりには数多くの前払式支払手段があります。

前払式支払手段に該当するもの

・商品券

・ビール券

・カタログギフト

・プリペイドカード

・ネット上で利用できるプリペイドカード

買い物をした時におまけとしてもらえるポイントは、前払式支払手段ではありません。支払いに使用することはできますが、使用者が前払いで購入しているものではないからです。いっぽう、お金を支払って取得するポイントは前払式支払手段に該当します。

LINEゲームの「宝箱の鍵」と「クローバー」は、単なるゲームアイテムではなく、お金を支払って取得するポイント(通貨)であると判断されました。この2つのアイテムは、商品券やカタログギフト、LINEゲームの「ルビー」などと同じように、前払式支払手段にあたるというわけです。

★前払式支払手段を発行するには★

商品券などの前払式支払手段はどのような企業でも発行することができますが、発行する企業は、法律(資金決済法)により、内閣総理大臣への届け出や登録が義務づけられています。ただし、前払式支払手段の有効期限が6か月以内のものは、法律の適用外となります。


前払式支払手段には、自家型と第三者型の分類があります

自家型 第三者型
利用できる範囲 発行する企業の店舗のみ 発行する企業以外の店舗(加盟店、フランチャイズ店等)を含む
・itunesカード
・オンラインゲーム会社が運営するゲーム内でのみ利用できるポイント
・自社でのみ利用できる商品券
・Suica
・楽天edy
・全国百貨店共通商品券
必要な手続き 前払式支払手段の未使用残高(前払式支払手段の総発行額−総回収額)が、毎年3月末または9月末に1,000万円を超えている場合は、内閣総理大臣への登録および発行保証金の供託等が必要 発行前に内閣総理大臣への登録

LINEゲームの2アイテムが前払式支払手段と認められたことにより、LINE株式会社は、これらの未使用残高について発行保証金の供託等をしなければなりません。

前払いイラスト

★供託金と利用者保護★

供託とは、金銭などの財産を法務局などに預け、保管することです。自家型前払式支払手段の発行企業が破産した場合でも利用者にお金を戻せるようにするため、供託が義務づけられています。

供託金の額は法律で決められており、未使用残高の1/2以上の額に相当する額です。LINEゲームの2アイテムの供託金額は、約120億円にのぼるといわれています。LINE株式会社の2015年通期の売上額(LINE事業単体)が1,105億円であることを考えると、莫大な金額であることがわかります。

しかし、LINE株式会社がこの金額を供託することはないとの見方もあります。銀行と保全契約を結んで、発行保証金の供託を肩代わりしてもらうことができるからです。この場合、LINE株式会社の負担額(銀行に支払う手数料)は、数千万円程度になるといわれています。

もらってうれしい商品券やカタログギフト券ですが、わたしたちの見えないところで、お金が動いたり法律が適用されたりしているのです。

「Money Motto!」【LINEゲームと供託金問題】 2016/7/5 転載

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