遅まきながら、大ヒットアニメ映画『君の名は。』を視聴しました。
この作品を通してのキーワードが「かはたれどき」=彼は誰時。
明け方や夕暮れの薄暗い時間帯、
“あれは誰か見分けがつかない”という意味の古語です。
(作品中では更に言葉遊びを進めて、ちょっと違う言葉で登場します。)
私の記憶にも、古典の授業で先生が目を細めながら説明してくれたことが残っています。
きっと先生も好きな言葉だったんでしょうね。
その時間帯の風景だけでなく、心情まで盛り込んだような日本語の表現、
とても美しくて印象的です。
他にどんな表現があるのでしょうか?
(意味はすべて“広辞苑第六版”より)
●朝まだき=夜の明けきらぬ頃。早朝。
●暁(あかつき)=夜を三つに分けた第三番目。宵・夜中に続く。現在では、やや明るくなってからを
指すが、古くは、暗いうち、夜が明けようとするとき。
●かわたれ時=明け方または夕方の薄暗い時刻。後には夕方の「たそがれどき」に対し、明け方を
いった。かれはたそどき。
●東雲(しののめ)=東の空がわずかに明るくなる頃。
●曙(あけぼの)=夜がほのぼのと明け始める頃。
●朝ぼらけ=朝がほんのりと明けてくる頃。
●有明(ありあけ)=[1]月がまだありながら、夜が明けてくる頃。また、その月。
[2](後世、月に関係なく)夜明け方。
●日盛り(ひざかり)=一日のうち、日のさかんに照る時。日の照る最中。多く夏の午後にいう。
●昼下がり(ひるさがり)=正午を少し過ぎた頃。午後2時頃。
●夕間暮れ(ゆうまぐれ)=夕方薄暗くてよく見えないこと。また、その頃。
●黄昏(たそがれ)=「たそがれどき」の略。夕方薄暗くなり「誰そ、彼は」と人の顔の見分け
難くなった時分。
●入相(いりあい)=日の入る頃。
●逢魔が時(おうまがとき)=「大禍時(オオマガトキ)」の転。禍いの起こる時刻の意。
夕方の薄暗い時。
●火点し頃(ひともしごろ)=あかりをともす、夕暮れ頃。
●宵の口(よいのくち)=日が暮れて、まもない時。宵のうち。
●夜半(やはん、よわ)=よなか。まよなか。
●夜更け(よふけ)=夜がふけたこと。また、その頃。深夜。
●丑三つ(うしみつ)=丑の時を四刻に分かちその第三に当たる時。およそ今の午前2時から2時半。
まだまだ他にもあります。
時計の針で表すより、1日の色彩が豊かになる気がしますね。
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